取り戻せないこともある？過払い金請求で知っておきたい基礎知識

過払い金請求の基本

過払い金とは

債務整理について調べると「過払い金」という言葉をよく見かけます。過払い金とは借金の返済金のうち利息制限法の上限金利を超えて返済されたお金のことで、本来返済する義務のない支払わなくても良いお金です。個人向け融資ではかつて利息制限法ではなく出資法の上限金利が適用されていたのですが、最高裁の判決により適用金利は利息制限法の上限金利を用いることが適当であるとの判断がくだされました。

出資法の上限金利適用分の借金に関しては利息制限法よりも高い金利が適用されていたのですが、利息制限法と出資法の金利差分の返済金に関しては返済しすぎたお金という扱いになります。この返済しすぎたお金が過払い金であり、債権者に返還請求を行うことで取り戻すことが可能です。

利息制限法の上限金利

利息制限法の上限金利は以下の通りです。

• 借入金10万円未満　20%まで
• 借入金10万円以上100万円未満　18%まで
• 借入金100万円以上　15%まで

払い過ぎた利息分は過払い金として返還請求できます。過払い金は借金の返済に当てられますが、過払い金を引いた借金残額よりも取り戻せる過払い金のほうが多い場合は借金を完済するだけでなく手元にお金が戻ってきます。過払い金は返済が長期化している借金ほど高額になるため、長く借金w返し続けている人ほど過払い金返還請求するメリットは大きくなります。

過払い金を取り戻せないケース

高金利の借入金がない

出資法の上限金利が不適当であると最高裁が判決を下したのが2006年のことです。その後貸金業者の金利は改正され2010年には貸金業法の上限金利が利息制限法の水準に統一されました。

最高裁の判決以降、各業者は利息制限法の上限金利で貸付を行っているので、高金利の借入金が返済金に含まれているのは2006年以前にお金を借りた人のみです。それ以降に借り入れた借金に関しては基本的に高金利適用分は含まれないので過払い金返還請求の対象になりません。

自己破産手続きをした

自己破産手続きは生活に必要な最低限の財産意外の全てを処分する代わりに債務が帳消しになる債務整理手続きです。自己破産手続きをすると仮に過払い金返還請求で取り戻せるお金があったとしても他の債務返済に使われるため、手元にお金が戻ってくることはありません。

過払い金による債務整理と自己破産のどちらが適当かは借金の状況によって異なります。弁護士に相談し最良の方法を選択しましょう。

闇金業者からの借金

違法な高金利で貸し付けを行う闇金業者からの借金に関しては、過払い金返還請求でお金を取り戻すことは非常に困難です。闇金は都合が悪くなると雲隠れしてしまい、法的に返還請求しようとしても手続きがとれなくなってしまいます。そのため過払い金返還請求の権利はあるものの回収は非常に難しく、泣き寝入りを強いられてしまいます。

ただし、闇金からの借金に関しては不法原因給付という扱いになり、違法であると認定された時点で返済義務はなくなります。悪質な取り立ても弁護士に相談の上で警察に訴えでれば被害も最小限に抑えられます。闇金からの借金を滞納して悪質な取り立てに悩んでいる方は、すぐに弁護士に相談してください。取り立てから開放されるだけでなく借金もきれいに整理できます。

時効になった

過払い金返還請求には時効が設けられており、最後の取引日から10年を過ぎると過払い金返還請求権が消滅してしまいます。返済が未だに続いているのであれば直近の返済日が最後の取引日になりますが、すでに借金を返し終えている場合は完済日が最後の取引日になります。

完済した借金に過払い金が含まれていれば返還請求可能ですが、かなり昔に完済した借金だと気づいた時にはすでに時効を過ぎている可能性があります。借金経験のある方は手遅れになる前に過払い金返還請求時効を過ぎていないか確認してみましょう。