自動車ローンや住宅ローンを任意整理すると?他の解決法は?
無担保ローンと有担保ローン
ローンは大まかに無担保ローンと有担保ローンに分かれます。無担保ローンは文字通り、担保不要で借金できるローン商品です。有担保ローンは価値のある財産を担保に入れることが必要です。有担保ローンでは万が一借主が返済困難となり滞納しても、担保に入れた財産を引き上げることで回収ができます。
そのため有担保ローンのほうが金利が低く、限度額が高いです。自動車会社の自動車ローンでは車を担保に入れることが多くなっています。金融機関の住宅ローンでは住宅に抵当権を設定しています。
有担保ローンの返済滞納で差し押さえへ
住宅ローンは最長35年と言う長い期間で返済していきます。その期間中にボーナスカットや給料カットなどで収入が大幅にダウンすると住宅ローンの返済が困難になることがあります。リストラや病気や怪我などで収入そのものが無くなってしまうと大変です。住宅ローンの返済を3か月以上滞納すると期限の利益喪失から保証会社による代位弁済が実行されることがあります。
高額な融資を受けた住宅ローンでは一括返済が難しいため、保証会社は自宅を売却して返済するように求めてきます。その提案に応じないと今度は自宅を差し押さえし、競売にかけて回収しようとします。自動車ローンも返済を何か月も滞納すると、住宅ローン同様に車が引き上げられてしまいます。
任意整理しても差し押さえ
自動車ローンで車を担保に入れている場合、任意整理するとその車は引き上げられることがあります。住宅ローンは抵当権を行使され、差し押さえから競売などによって処分されます。自動車ローンや住宅ローン返済中の任意整理には注意が必要です。
任意整理後は約5年ローンを組めない
任意整理後はブラックリストに掲載されます。ローンに申し込みすると審査が実施されます。このときにブラックリストに掲載されていると審査に落ちてしまうためにローンを組むことができないです。任意整理の場合は約5年掲載されるため、任意整理後すぐに自動車ローンや住宅ローンを組めると考えていると大変です。
自動車ローンや住宅ローンを外して任意整理
自動車ローンや住宅ローン返済中の場合は、その債権者を外して任意整理すると言う方法があります。自動車ローンや住宅ローン以外に借金を抱えており、その借金の任意整理ができれば自動車ローンや住宅ローンの返済は続けられると言う場合に使えます。しかし任意整理まで追い込まれた状況のため、現実的には難しいです。自動車ローンの債権者を外すのが手一杯となる可能性が高いです。
住宅ローンや自動車ローンをリスケジュール
住宅の差し押さえは困ると言う場合は、リスケジュールすると言う方法があります。リスケジュールは金融機関と交渉し、今より楽な返済条件に変更して貰うと言う方法です。例えば返済期間を延長して貰う、毎月の返済額を減らして貰うなどの変更です。リスケジュールが成功すればそのまま返済の継続ができることがあります。その代わりにリスケジュールして貰えるかどうかは金融機関次第です。
この借主は返済する意思が無いと判断したときは、リスケジュールに応じず差し押さえにかかることがあります。きちんと返済する意思を示し、粘り強く交渉することが大切です。住宅ローンの毎月の返済額を他からの借金で賄うのは厳禁です。
多重債務への入り口となり、かえって借金問題の悪化を招いてしまうことがあります。返済滞納中に連絡が取れなくなると信用を無くしてしまうため、返済に困ったときは金融機関に連絡を入れて下さい。最初から無理な計画でリスケジュールしても意味が無いです。
きちんと継続できるかシミュレーションしてみて下さい。自動車ローンも住宅ローンのように交渉次第ではリスケジュールに応じて貰えることがあります。両方とも返済に困っているときは両方ともリスケジュールの交渉を行ってみて下さい。
任意整理やリスケジュールで解決できないときは
任意整理やリスケジュールでは借金の元金までは減らないです。そのため自動車ローンや住宅ローンなどの残高が多すぎる場合は解決できないことがあります。
個人再生の住宅ローン特則を利用
もし任意整理やリスケジュールで解決できないときは個人再生の住宅ローン特則を利用すると言う方法があります。住宅ローン特則では住宅ローンの以外の元金を大幅に減らすことが可能です。
住宅の差し押さえは行われず、家族と一緒に住み続けられます。その代わりにこの制度は住宅のみ、自動車には利用できないです。自動車ローン返済中だと車は失う可能性が高いです。車は失っても構わないが、住宅は困ると言うときに有効な制度です。
住宅ローン特則の種類
住宅ローン特則には次のような種類があります。
- 期限の利益回復型
- 最終支払期限延長型
- 元本据え置き型
- 同意型
期限の利益回復型
期限の利益回復型には文字通り、期限の利益の喪失から回復させると言う特徴があります。住宅ローンの返済を何か月も滞納すると期限の利益は失い、残高の一括返済が求められます。
期限の利益回復型では期限の利益の喪失前に戻し、今まで通り住宅ローンを返済していく型となります。今まで通りの分割返済に加え、滞納した分の分割返済も必要です。
最終支払期限延長型
最終支払期限延長型は最長10年間、返済期間の延長が可能と言う特徴があります。期限の利益回復型では毎月の負担が多すぎると言う場合は此方のほうが便利です。債権者の同意は不要、債権者が反対していても利用が可能です。その代わりに70歳までに完済できる計画が必要です。
元本据え置き型
個人再生では再生計画案に基づき、3年から5年で分割返済を行います。元本据え置き型はこの期間中、元金の一部や利息のみで住宅ローンの返済ができると言う特徴があります。最終支払期限延長型でも返済が難しいときに選びます。法的に住宅ローンのリスケジュールが行えると言うメリットがあります。
同意型
同意型では債権者の同意があれば、返済期間の延長や利息のカット、ボーナス払いの中止など様々な返済条件の変更が可能と言う特徴があります。その代わりに債権者から反対されると返済条件の変更は難しいです。
自己破産を利用
個人再生の住宅ローン特則にはいろいろな条件があります。その条件を満たさないと利用できないです。もし条件を満たさないときは自己破産を利用すると言う方法があります。住宅ローンや自動車ローン返済中に自己破産すると住宅や車は失ってしまいます。しかし借金全ての返済から免除されるため、生活を一から再スタートすることができます。
債務整理の依頼は
過払い金請求や任意整理と言った債務整理の手続きは比較的簡単です。自分で手続きしようと思えばできます。しかし債権者との交渉が必要、個人の方では交渉が難しいことがあります。
個人再生や自己破産と言った債務整理の手続きは難しいです。そのため債務整理の手続きは弁護士に依頼したほうが良いでしょう。弁護士費用は過払い金請求、任意整理、個人再生、自己破産ごとに異なります。過払い金請求、任意整理よりも個人再生や自己破産のほうが弁護士費用は高くなります。
弁護士に相談する際に弁護士費用が幾らになるか聞いてみて下さい。多額な借金は一人で悩んでいるだけでは中々減らないです。時間が経つほど借金が膨らんだり、問題が大きくなるために早めに弁護士に相談したほうが良いです。
借金が膨らんでいった経緯を時間ごとに書いたメモを持参すると、債務整理の相談時に適切なアドバイスを行いやすいです。
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