ホントにうまくいく?債務整理に成功するケース・失敗するケース

債務整理で借金問題を本当に解決できるのか

借金問題解決の大きな助けになるのが「債務整理」です。債務整理は法律上認められた借金整理のための手続きで、債務に苦しむ人達の救済を目的としています。債務整理をすることで苦しい借金地獄から逃れ新たに生活再建を目指すことができますが、債務整理は万能ではありません。

借金の状況によっては債務整理の効果が期待できないこともあります。成功すれば借金返済負担は大幅に軽くなりますが、失敗すると借金が減らないだけでなく逆に増えてしまう可能性もあります。

必要ならば債務整理をためらう必要はありませんが、効果が無いのに無理に債務整理手続きするのは無意味です。どのようなケースなら債務整理が有効でどのようなケースで失敗してしまうのか、事前に学んでおくことが借金問題解決の第一歩となるでしょう。

債務整理の基礎知識

債務整理には大きく分けて4つの手続きがあります。

  • 任意整理
  • 特定調停
  • 個人再生
  • 自己破産

4つの方法は借金の内容や金額によって対象となるケースが異なり、最適の方法を選択することで効果的に返済負担を軽減することができます。どの方法を選ぶかは債務問題に強い弁護士と相談のうえで決定してください。

全体の9割が選択する任意整理

任意整理は債務整理の中で件数が最も多く、債務整理した人の9割は任意整理を選択しています。任意整理は貸し手と借り手双方の合意があれば成立する手続きで、裁判所など公的な仲介を必要としません。そのため話し合いが上手くいけば短期間で債務整理が完了するというメリットがあります。

任意整理が成立すると返済計画の見直しや将来利息のカットなどの措置が取られます。借金が減額されることは基本的にありませんが、将来利息のカットによってこれ以上借金が増えることが無くなり返済負担は軽減されます。3年から5年かけて関西を目指すことになるので、債務整理成立後も返済は続きます。

双方の話し合いによって成立するため、個人で手続きするのは簡単ではありません。任意整理するなら交渉に強い弁護士に相談して代理人を立てるのが確実な方法です。

裁判所が仲介する特定調停

当事者間の話し合いが基本の任意整理と違い、特定調停では裁判所が仲介役として双方の間に立ちます。内容自体は任意整理と非常に近く、返済計画の見直しや将来利息のカットなどはあるものの完済を前提とした話し合いが行われます。

1点だけ異なるのは、話し合いが成立するまでの機関に発生した遅延損害金が加算される可能性です。任意整理では手続き開始から合意成立までの期間に発生した遅延損害金は基本的に加算されませんが、特定調停では加算される場合があります。

弁護士を代理人に立てることは可能ですが基本的には本人が交渉を行います。費用は1社あたり500円なので、お金をかけずに自分で債務整理したい方が選択する債務整理方法です。

自宅を守れる個人再生

債務整理はしたいけど自宅は守りたい、というときに選ばれるのが個人再生です。個人再生では所有する自宅物件を手放さないことを前提に債務整理が進められるため、家族や生活への影響を最小限に抑えられます。

個人再生は裁判所への申し立てを必要とする手続きで、裁判所が債権者の意見を聞いたうえで債務の綿製木を認めるかどうか判断します。個人再生が成立すると債務は原則5分の1に減額され、残された債務を3年かけて返済していきます。新たな借り入れは今後数年間できなくなってしまいますが、自宅を守れるという大きなメリットがある方法です。

すべての債務が免責される自己破産

債務整理の中で最も効力が強いのが自己破産です。自己破産は裁判所への申し立てを必要とする手続きで債務状況や借金の目的、返済能力などを総合的に審査したうえで裁判所が可否を判断します。自己破産が認められるとその時点ですべての債務は免責され借金はゼロになります。全ての資産は処分され返済に回されますが、99万円以下の現金や生活に必要不可欠な家具などは所有が認められます。

自己破産は非常に強い強制力を持つ手続きなので簡単には認められません。借金が解決不能でこのままでは行き詰まることが確実な場合のみ認められ、人生の再スタートするチャンスを与えられます。弁護士と相談のうえで手続きするのが確実ですが、自分の力で手続きして自己破産するケースも少なくありません。

債務整理が成功するケース

債務整理が成功すると借金の返済負担は一気に軽くなり、返済に追われる日々から脱出することができます。生活も安定し経済的にゆとりもできるので、将来に向かって前向きに進んでいくことができるでしょう。

過払い金で完済できるのがベストケース

借金問題解決でベストなのは、過払い金で借金を完済できるケースです。利息制限法の上限金利を超えて適用された金利に関しては法律上支払う必要のないお金であり、すでに返済金として支払ってしまった分を過払い金として取り戻すことができます。

借金に過払い金が含まれている場合は利息制限法を超えた金利に基づいて計算されているため、本来適用される利息制限法の金利水準で計算することで借金額そのものを減らすこともできます。このような計算を引直計算といい、引直計算で減った借金を取り戻した過払い金で完済することに成功すればその時点で借金問題は解決です。

過払い金額は借り入れ額や借入期間によって異なりますが、100万円以上取り戻せた人は1万人を超えています。過払い金で滞納した借金を完済できれば債務整理扱いにはならないので、ブラックリスト入りも回避できます。数年間の借入禁止やクレジットカード作成不可などデメリットも発生しません。

早期の相談が大切

債務整理に成功したケースの多くは、早期に弁護士に相談に訪れています。借金問題の解決には専門家である弁護士の力が欠かせません。速いうちに対処することで債務整理成立の確率も高くなりますし、早めに解決すればその後の負担も軽減できます。任意整理にしろ自己破産にしろ早めに相談すれば苦しむ機関も短くて済みます。無料相談も開かれているので、滞納期間が短いうちに弁護士に相談しましょう。

債務整理に失敗するケース

債務整理は必ず成功するわけではありません。借金の内容によっては失敗するケースもあります。債務整理に失敗すると返済負担は軽くならず返済に追われる日々が続いてしまいます。場合によっては借金が増えることもあるので注意してください。

浪費やギャンブル目的の借金は自己破産できない

浪費やギャンブル目的で借金した場合は自己破産することができません。自己破産は厳密に要件が定められており、浪費やギャンブルなどのためにお金を借りている場合は「免責不許可事由」に該当するため申し立てが不許可になってしまいます。借金の目的をごまかして申し立てをしても調べられればバレてしまいますから、成功する見込みはありません。

自己破産はできませんが、任意整理であれば借金の使い道は問われないので債務整理可能です。過払い金があれば返還請求できます。

過払い金が無ければ請求するだけ損

過払い金が含まれているのは利息制限法の上限金利以上の金利が適用されている借金のみです。いわゆるグレーゾーン金利が解消されて以降の借り入れに関しては利息制限法の範囲内の金利が適用されているため、過払い金は存在しません。過払い金がないのに弁護士に返還請求を依頼しても当然過払い金は取り戻せず、弁護士費用のみを請求され赤字になってしまいます。

無料相談の段階で過払い金の見積もりを計算してくれるので赤字になるケースでは返還請求するだけ損だとアドバイスしてくれるのですが、赤字になるとわかっているのに過払い金請求を行って依頼料を得ていた法律事務所も過去に存在しています。借金を減らすはずが逆に増えてしまうことの無いように、事前見積で赤字になるようなら返還請求してはいけません。

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